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制度融資は、地方自治体と金融機関と信用保証協会が連携して、中小企業者などに行う融資のことをいいます。
創業融資は、数ある制度融資のうちの一つです。
金融機関は、地方自治体が都道府県の場合には都道府県が定めた条件で融資を行い、市区町村の場合には市区町村が定めた条件で融資を行います。
信用保証協会は、金融機関から保証の申し込みが来たら、その申し込みの内容に従って審査を行い、保証の可否を決定します。
そのため、信用保証協会としては都道府県からなのか市区町村からなのかに関わらず審査を行いますが、実際のところ常に同様の審査しているとはいえません。
地方自治体が都道府県なのか、市区町村なのかで融資や保証の内容が若干異なっていますので、ご紹介いたします。
・申請窓口が違う!
・融資実行までの期間が違う!
・融資の実行可能性が違う(かも)!
・融資の限度額や補助内容が違う!
・まとめ
はじめに、少しだけ弊所の紹介をさせてください。
弊所では、法人・個人事業主問わず、幅広く創業融資のサポートをしております。
ご依頼いただいた場合には、下記にある市区町村のような紹介状の発行はできませんが、融資を勝ち取るための創業計画書を作成し、融資面談の際のノウハウもご提供させていただきます。
また、金融機関の申請にあたっては、当事務所から直接ご連絡いたしますので、税理士が監修していることをアピールすることもできます。
創業時は思った以上にやることが多く、融資実行まで身動きがとれないような状態では多くの機会損失を生み出しかねませんので、ぜひ都道府県の制度融資を申請されることをお勧めいたします。
創業融資をご検討の際には、お気軽にお問い合わせください。
地方自治体が都道府県の場合は、最寄りの金融機関で制度融資を受けたい旨を伝えるのが一般的ですが、市区町村の場合には、その区役所などが窓口となります。
これは、都道府県の場合だと金融機関の窓口で申し込みをして、そのまま金融機関が保証協会に保証の申し込みをしますが、市区町村の場合には、区役所等で相談員(主に中小企業診断士)の指導のもとで申請に出す創業計画書を作成する必要があるためです。
計画書の作成が終わると区役所等が紹介状を発行してくれますので、それを持参して金融機関の窓口に行き、その後は同じ流れになります。
そのため、市区町村の場合には、1STEP手続きが多くなります。
ちなみに窓口ですが、金融機関の場合には、Google Mapなどを使って事業所の周辺の金融機関を探してください。
金融機関の種類は、都市銀行、地方銀行など色々とありますが、個人的には信用金庫をお勧めいたします。
信用金庫はもともと地域密着型なので融資に積極的なところが多く、事業を進めていくうえでは追加融資が必要なときにも相談しやすいので、お付き合いしておいて損はありません。
市区町村の場合には、事業所を管轄している役所に行くと、手続きを説明してくれます。
上に述べたように、市区町村の場合には、区役所などで相談員と創業計画書を作成するため、都道府県の場合に比べて、申請してから融資実行までの期間が長くなります。
都道府県の場合は、申請してから約1ヶ月~1.5ヶ月くらいで融資が実行されるのに対し、
市区町村の場合には約2.5ヶ月~3ヶ月かかるといわれています。
これは、相談員と創業計画書を作成していく過程で、その計画書の良し悪しに関わらず、3回~4回ほど役所に出向かなくてはならないため、大体1ヶ月ほど長くなります。
都道府県の場合は、金融機関の窓口から申請してそのまま保証協会の審査となりますが、市区町村の場合には、事前に相談員と共に作成した創業計画書を使用して申請をします。また、申請には市区町村の役所から発行してもらった紹介状を提出します。
この紹介状は、事実上、中小企業診断士のお墨付きをもらっているようなもののため、融資の審査を行ううえでアドバンテージとなり、成功確率が上がるのです。
(正確には、「上がると言われています」です)
制度融資の融資条件は、その地方自治体によって異なってくるため融資限度額や利率などが異なってきます。また、その補助内容も異なってきます。
制度内容は一律ではありませんので、都道府県は「東京都」、市区町村は「墨田区」のケースでご紹介します。
地方自治体 | 東京都 | 墨田区 |
資金使途 | 運転資金・設備資金 | 運転資金・設備資金 |
融資限度額 | 3,500万円 (創業前なら、自己資金+2,000万円) | 1,750万円 |
利率 | 1.9%~2.5% | 2.0% |
期間 | 設備資金10年 運転資金7年 (ともに据置1年) | 7年(据置1年) |
補助 | 保証料:1/2 利子 :なし | 保証料:全額 利子 :1.8% |
融資限度額は東京都のほうが倍近く高いですが、利率・補助ともに墨田区のほうが有利となっています。
制度融資の内容だけで考えた場合、限度額いっぱいまで融資申請をするのでないならば、墨田区で制度融資を受けたほうが良さそうです。
上の表を見る限り、明らかに市区町村の制度融資のほうが手厚い補助があります。
金融機関の窓口で制度融資の申請を申し込むと、かなり高い確率で市区町村の制度融資を勧められるそうです。窓口の方も、市区町村のほうが補助の内容が良いため善意でしているのだと思います。
ですが、一番気にかかるのは、市区町村では融資実行までの期間が長いことです。
創業融資を申請する人は、事業資金を早く調達したい方が多く、その創業時に1ヶ月でも遅くなることは同時に開業が遅れることに直結してしまいます。
そのため、どちらで申し込むかはご用意している資金や融資希望額などを総合的に判断したうえで、決められるのがよろしいかと思います。