〒131-0046 東京都墨田区京島1-8-8 09号室
受付時間 | 09:30~17:00 ※土曜・日曜・祝日を除く |
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アクセス | 曳舟駅より徒歩2分 |
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経営セーフティー共済とは、正式名称を中小企業倒産防止共済といい、取引先の倒産により回収ができなくなったときに、連鎖倒産を事前に防ぐため、無担保・無保証で速やかに借入することができる制度です。
この制度は、小規模企業共済と同じく、国の機関である中小企業基盤整備機構が運営しています。
・経営セーフティ共済とは
・税金の取り扱い
・節税効果を最大限発揮させるには
経営セーフティ共済は、個人、会社、組合、全て加入の対象となっています。
ですが、中小企業をターゲットとしているため、事業規模が大きすぎると加入することができません。経営セーフティ共済にて、中小企業としている個人事業や会社の範囲は、次のとおりです。
業種 | 資本金・出資金の額 | 従業員数 |
製造業・建設業・運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900人以下 |
ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
組合の場合は、規模ではなくその種類により加入できるか否か決められていて、企業組合や協同組合など一定の組合が対象になっています。
また、いずれも『1年以上の事業を営んでいること』が条件となっているため、創業して間もない場合などは加入することができません。
掛金は、5,000円~200,000円までの範囲で、5,000円単位で設定することができ、途中で減額や増額することができます。掛金には限度額が設定されていて、最大8,000,000円まで積み立てることが可能です。
掛金の総額が月額の40倍以上に達している場合には掛金の支払をストップすることができ、取引先の倒産事由により共済金の借入をした場合には、その後6ヶ月間掛金の支払をストップできます。
また、前納することができ、「掛金月額の0.9/1000」の前納減額金が設けられています。
経営セーフティ共済は、取引先が倒産することによって借入できるようになります。
倒産にも色々種類がありますが、『取引先の夜逃げ』以外であれば基本的に借入することができます。借入することができる取引先の倒産事由は次のとおりです。
・法的整理(破産手続きや再生手続きなど)
・取引停止処分
・でんさいネットの取引停止処分
・私的整理
・甚大な災害による手形や小切手の不渡り、でんさいの支払不能
中小企業基盤整備機構にて取引先との取引の確認が終わり次第、すぐに借入することができます。
経営セーフティ共済に加入していると、『倒産した取引先の売掛債権・前渡金返還請求権の金額相当額』の借入をすることができます。なお、最大で掛金の10倍(上限8,000万円)まで借りることが可能です。
借入額は50万円~8,000万円で、5万円単位で設定されます。
また返済期間は、その借入額によって定められています。(6ヶ月間の据置期間あり)
借入額が5,000万円未満:5年
借入額が5,000万円以上6,500万円未満:6年
借入額が6,500万円以上8,000万円以下:7年
利息はありませんが、借入をすると、その借入金の1/10が掛金総額から控除されます。
取引先の倒産の内容が、借入できる倒産事由に該当していても、次のいずれかに該当する場合には共済金の借入をすることができません。(代表的なものを紹介します)
・掛金の拠出が6ヶ月未満であるとき(倒産事由が発生しても借入できません)
・借入時に中小企業者でないとき
・既に借り入れている共済金の返済が滞っているとき
・借入金50万円に達しないなど少額のとき
詳しくは、中小企業基盤整備機構HPにある『経営セーフティ共済』をご覧ください。
経営セーフティ共済では、掛金を12ヶ月以上納めていれば解約手当金を受け取ることができます。(12ヶ月未満の解約では、解約手当金は受け取れません)
解約手当金の額は、大体掛金の80%以上を目安として、掛金を40ヶ月以上納めていると、掛金の全額が戻ってきます。
経営セーフティ共済で拠出した掛金は、全て費用として認められます。
法人税であれば損金として、個人事業主の事業所得であれば必要経費として、認められています。
ただし、個人事業主で事業所得以外の所得の場合、例えば不動産所得などでは、必要経費として認められませんので、節税効果はありません。ご注意ください。
経営セーフティ共済は、掛金を拠出することにより、中小企業基盤整備機構から借入することができる制度です。
掛金を拠出しても、借入する権利を得ることしかできないため、節税ができるとしても大きなメリットは無いように見えるかもしれません。
ですが、取引先の倒産という条件付きではあるものの、いざというときに掛金相当額以上の借入をすることができ、掛金相当分を貯蓄しているだけではできない税金の減額をすることができます。40ヶ月以上拠出していれば、いつでも掛金全額の解約手当金を受け取ることができます。
節税効果を一番発揮させるためには、この解約手当金を使います。
制度の目的は借入のためですが、節税効果を発揮させるためには、40ヶ月以上拠出して100%の解約手当金を受け取れるようにします。
解約手当金は所得計算上は利益となるため、やみくもに解約してしまうと、解約した年の税金が多くなってしまい、長年行ってきた節税が無駄になってしまいます。
節税を無駄にしないように、受け取るタイミングは『事業が赤字のとき』や『退職金など大きな費用の支出があるとき』にしてください。
そうすると、利益と費用が相殺されて、解約した年に税金が多くなることはありません。
経営セーフティ共済で節税効果を最大限発揮させるためには、
①40ヶ月以上拠出すること
②解約手当金として受け取ること
③解約のタイミングは、事業が赤字の年や退職金など大きな費用がある年
の3つを守りましょう。
当事務所では、申告書を作成するだけでなく、事前に納税額を予測して対策を立てています。
節税をするときには、ただ支出をして納税額を減らすだけの無駄な節税を極力避け、お客様と相談しながら、後々有益となる節税をご提案いたします。
また、税務申告のほかに、経営分析や資金繰りにも力を入れております。
資金計画をこれから実施していこうという方、再度検討したい方など、資金体力のある会社づくりを目指したい方、お気軽にご連絡ください。