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「資金が出ていく5つの理由」のように、代表的なものがわかれば、あとはその箇所について重点的に、資金の流出を防ぐように対策を練るだけです。
流出を防ぐことができれば、次はその反対で、資金が流入してくるルートを確保していきましょう。
ルートを確保するためには、『お金以外の資産を持たない』ようにすることが一番です。
とはいえ、全く持たないようにすることは現実的に不可能ですので、実際は現預金以外の資産の保有期間を短縮していくように調節していきます。
支出については、支払が猶予されている期間を延ばすことが出来れば、せっかく獲得した利益をすぐに流出しなくてもよいため、資金繰りに余裕が出てきます。
会社を成長させていくためには、いかに外部からお金を流入して、資金的に余裕のある状態を長い間保つことができるかが勝負です。
・在庫と債権の回転率の向上を図る
・設備の圧縮を図る
・支払期日の延期を図る
・借入を検討する
・利益を獲得する
・入手金をセットにして考える
・当事務所の取り組み
『在庫の増えすぎに注意!』でもお伝えした通り、長い期間在庫を保有し続けるということは、資金の流れを食い止めているのと同じことです。
そのため、資金繰りの改善を図っている間は、仕入の金額は多少高くなったとしても、出来るだけ小さなロットで仕入れるようにして、在庫の数は必要最低限に抑えるよう努めます。こうすることにより、棚卸資産回転日数の短縮を図ります。
売掛金などの債権は、少しでも回収期間を短くできるように会社一丸となって取り組みましょう。取引先ごとに売掛表を見直してみて、不良債権がないか確認することも必要です。これにより、売上債権回転日数の短縮を図ります。
このような取り組みを行うことにより、運転資金の回転数も上がり、以前よりも少ない資金で儲けることが出来るようになります。
小ロットの仕入れは割高で、商品数もすぐに少なくなってしまうため管理は大変ですが、在庫としてお金を寝かしている状態に比べれば、効率良くお金が流れるようになります。
資金繰りの改善を図っている間は、新しい設備投資は控えるようにしましょう。
新しい設備投資がなければ、設備は毎年減価償却が行われるために、自然と縮小していきます。
減価償却費は支出を伴わない費用であるため、特に何もしなければ、その金額分だけ利益が減るので税金も少なくなり、間接的に資金が貯まるような効果が表れます。
また、除却をすると損失額が大きくなるような設備について、処分の検討をしているのでれば、利益が出た事業年度で行うと、減価償却費よりも大きな節税効果を生むことができます。
上記の『在庫と債権の回転率の向上を図る』と似ていますが、仕入や諸経費などの支払については、その支払時期を遅らせてもらうように打診してみましょう。これにより、仕入債務回転日数の延長を図ることができ、その期間は会社に資金をとどめておくことができます。
取引の一般的な流れは支払いが先行していますが、その先行してしまう期間をできるだけ短くすることができれば、今後しばらくの間は資金繰りが楽になっているはずです。
借入は、返済と調達をバランスよく行いましょう。
返済ばかりしていては、運転資金や設備資金などの不足分を補うことが出来ずに、むしろ会社内部の資金がどんどん減って行ってしまうばかりですので、資金不足のタイミングを見て、お金を補充していくようにしましょう。
資金不足のタイミングを見るには、資金繰り表を作成しておくのが一番効果的です。
資金繰り表を定期的に作成することで、事前にどのタイミングで資金がショートしやすくなるかが視覚的にわかるようになります。
とくに、会社の成長期では、資金は常に枯渇している状態になりやすいので、借入と返済のバランスを見ながら調整していってください。
また、中小企業にとっては、金融機関からの借入は、大きな資金を手に入れる重要なルートですので、このルートは絶対に詰まらせないようにしましょう。
当然のことなのですが、利益を出さなければ、事業資金を確保することはできません。
上の4項目は、あくまでいままでの事業に対しての改良ですが、資金を流入させるには、なにより利益を獲得することが大切です。
資金繰りの改善を図ると同時に、利益体質の会社にしていくように内部構造の改革も行いましょう。そうしないと、上手く資金繰りの改善が進んだとしても、利益を生んでいなければまた資金不足の状態に陥ってしまいます。
前のページとこのページで、資金が出て行ってしまう時の対処法を述べましたが、対策を練る時には、必ず入金のルートと出金のルートをセットで考えてください。
これは、資金が出ていく...足りない会社は、当然のことながら、入ってくる金額よりも出ていく金額の方が多いために、足りない状態になっているわけです。
この2ページを見てもわかるとおり、資金の入出金のルートはほぼ同じ部分です。
同じルートのなかで、お金が入ってくることもあれば、出ていくこともあるということです。
そのため、資金の流れの『向き』と『量』と『速さ』の三つを考慮しながら計画を立ててください。
入出金をセットで考えるときは、必ずしも同じルート同士である必要はありません。
・不良在庫を一斉処分して節税効果を得ながら(在庫のルート)、
・借入資金で(借入のルート)
・売れ筋商品を増産・販売して(在庫ルート)、
・一気に売上と利益とお金を確保した
というように、別のルート同士で入手金をセットにしても問題ありません。
組み合わせ次第で色々と応用が利くため、会社の現状に併せて、ぜひ実践してみてください。
当事務所では、税務相談や税務申告のほかに、資金繰りや資金調達、経営分析に力を入れております。
この2ページで述べたように、資金の入手金は同じルートであることが多く、資金繰りの改善を図るには入出金ともにセットで考えて、『流れ』『量』『速さ』を考慮しながら計画を練る必要があります。
資金繰りの改善を図りたい方、これからの資金計画について不安がある方は、ぜひ当事務所にお問合せください。