キャッシュフロー計算書とは

 キャッシュフロー計算書とは、期中の現金預金の動きについて、詳細に表示されている財務諸表です。

 損益計算書は、その期間における収入から費用を差し引いた差額である「利益」に着目しているのに対して、キャッシュフロー計算書では、その期間における現実の「お金(キャッシュ)の流れ(フロー)」に着目しています。

 キャッシュフロー計算書は、貸借対照表の現金預金の期首から期末までの動きを表していて、そのキャッシュの種類を「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3種類に分け、どのようなお金の流れがあったのかを詳細に表示しているので、どんな活動に、どの程度のお金を動かしたのかが一目でわかるようになっています。

 「損益計算書とは」のページでは黒字倒産の話しをしましたが、その対策として、キャッシュフロー計算書はとても有効です。

 なぜなら、利益のような差額の概念ではなく、実際の「儲け」に着目しているからです。

 黒字であるにも関わらず、現金預金が少なくなっているようなときは、貸借対照表と損益計算書を見ただけでは原因はわかりませんが、現金預金の動きを可視化しているキャッシュフロー計算書を見れば、お金の動きが詳細に記録されているので、すぐにわかるようになっています。

 お金の動きに着目しているために、この財務書表は改ざんすることが難しいことから、とても信頼性が高いという評価を得ています。

 損益計算書は差額の概念なので、利益を出したいときには、翌期の売上を当期にずらしたり、当期の費用を翌期に繰り上げたりすれば、すぐに利益を作り出すことができますが、キャッシュフロー計算書は実際の「儲け」であるお金がベースにあるので、そのようなことが出来ません。

 そのため、新規取引先などの会社の実態を把握したいときには、キャッシュフロー計算書をお取り寄せください。

◆営業活動によるキャッシュフローについて

 営業活動によるキャッシュフローとは、商売における純粋な儲けを表しています。

 表示の方法は「直接法」と「間接法」があります。

 「直接法」は、営業活動による売上や仕入などで生じた現金収支を直接記載する方法で、その期における営業収入・仕入支出・人件費支出など現金収支の総額が一目でわかるという利点がある一方、作成にはある程度の手間がかかるため、大規模の会社には向いていません。

 一方「間接法」は、損益計算書の税引前当期純利益を起点として、加減算することにより現金収支を表示する方法で、差額である「利益」から実際の「儲け」までのズレの原因が一目でわかるという利点があり、ほとんどの会社で使用されています。

 ただし、損益計算書の項目の理解していないと、表示の意味がわからなくなってしまうというのが欠点です。

 営業活動によるキャッシュフローは、経営分析を行ううえで最初に着目する項目で、この区分がプラスでないと、「儲け」が運転資金に追いついておらず、借入などの他人資本に頼っている可能性があります。

◆投資活動によるキャッシュフローについて

 投資活動によるキャッシュフローでは、会社の基盤となる投資活動の現金収支を表しています。

 固定資産の購入による支出や、有価証券の売却による収入の金額などの合計額を記入します。会社の業績が好調な時には、マイナスになります。

◆財務活動によるキャッシュフローについて

 財務活動によるキャッシュフローでは、会社の活動を支える財務活動による現金収支を表しています。

 借入による収入や返済による支出、増資による収入の金額などの合計額を記入します。会社の業績が好調な時にはマイナスになりますが、規模の拡大を図るなど成長期にはプラスになりやすいです。

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