【資金調達】融資を受けてる金融機関では定期預金を作らないこと

 金融機関とのお付き合いをしていると、定期預金を作りませんか?と提案してくることがあります。

 「まあ、付き合いで定期預金ぐらい作るか」と考えるのは、経営者として当然だと思いますが、その作る先が融資を受けている金融機関である場合には、気を付けてください。

 よく検討しないと、自由になる資金が減ってしまうかもしれません。


 ・定期預金を作らない方がいい理由
 ・定期預金の担保としての評価
 ・金融機関が担保を要求してくるのはどんなとき?
 ・当事務所の取り組み

 

◆定期預金を作らない方がいい理由

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 いきなり結論からいきますが、融資を受けている金融機関で定期預金を作らない方がいい理由は、担保に入れるよう要求してくる可能性が非常に高いからです。 

 定期預金を、融資を受けている金融機関先で作るということは、その定期預金は手中に納められているといっても過言ではありません。

 また、今後の金融機関との付き合いを考えると、担保の要求を断るのは難しいです。

 融資を受けている金融機関にて、定期預金を作らないほうがいい理由は主に二つあります。

 

①担保設定すると、解約することはまず難しい

 定期預金を担保として金融機関に差し入れたときには、その通帳や証書を金融機関に預けます。

 担保として提供していると、融資を返済しない限り、その定期預金を自由に引き出すことは出来ません。もちろん解約も出来ません。

 運転資金として使いたくても、担保として提供している以上は、解約はその金融機関の承認が必要となりますが、金融機関はその担保設定を外してはくれません。

 これは、もし融資先の会社が貸倒となった場合に、その融資の一部を担保設定している定期預金と相殺することが出来るからです。

 定期預金を担保設定するということは、その金融機関との融資取引が続く以上、自由に使える資金を手放すということでもあります。

 

②融資利息が実質よりも多くなってしまう

 融資を受けている金融機関で定期預金を作ると、その金融機関からの実質の融資額が少なくなります。ですが、融資利息は実質融資額に比べて、高いものとなっています。

 例えば、M銀行から融資を6,000万円受けているけども、同時に2,000万円の定期預金を作っているとします。

 定期預金は、原則として一定期間は自由に使えない預金であるため(担保に関係なく)、この場合の実質の融資額は4,000万円になります。ですが、融資利息のベースは6,000万円となるため、融資利息は本来の利息よりも多く支払わなければならないことになっています。

 このような状態になっている場合には、定期預金解約と同時に全額を融資返済に充てられるように、金融機関と交渉したほうがよいです。 

◆定期預金の担保としての評価

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 担保となった定期預金の評価は、その預金残高がそのまま担保の評価額になります。

 不動産や有価証券などは、主に時価が採用されるため、結果的に購入価格よりも少なくなることがありますが、定期預金の場合には、その金額自体が時価となるため、需要供給にも関係なく、その金額がそのまま評価額となります。

 そのため、金融機関にとっては、担保となる定期預金は、喉から手が出るほど欲しい存在なのです。

 

◆金融機関が担保を要求してくるのはどんなとき?

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 金融機関は、融資先の会社や個人事業主に対して、定期預金があれば担保として提供してもらうように要求してきます。

 金融機関が、融資先に担保の提供を求める場合は、主に次のケースが多いです。

 ・新規融資の場合
 ・業績が悪化した場合
 ・リスケジュールの申込をした場合
 ・自社ビルなどの不動産購入の融資の申込をした場合

 このケースに充てはまるのであれば、担保の要求をしてくる可能性は非常に高いです。

 担保は提供しないほうがいいに越したことはありませんが、金融機関が握っている定期預金は、真っ先に担保対象の的になってしまいます。

 むげに断るのも今後の金融機関とのお付き合いに影響を与えてしまうため、そうならないためにも、そもそも定期預金は作らないほうがいいのです。

 

◆当事務所の取り組み

 当事務所では、税務相談や税務申告のほかに、資金繰りや資金調達、経営分析に力を入れております。

 資金調達を行う際には、経営分析をベースとして、どの程度資金調達できるかを検討するとともに、出来る限り融資可能性を高めるためのサポートをいたします。また、資金計画を初めて実施される方は、資金繰り表の作成サポートもしております。

 資金調達をお考えの方、資金計画を実施してみたい方・再検討してみたい方など、資金体力のある会社づくりを目指したい方は、お気軽にご連絡ください。

 また、創業融資にも力を入れているため、創業をお考えの方も、お気軽にご相談ください。

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