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会社の営業部の方にお食事をごちそうになる時に、会計で「領収書ください。宛名は〇〇会社で」ということがあります。
これは、今回の食事代金について、その営業部の方が一旦立て替えてから、後日会社に請求するためにしていることですが、実は、その時に支払った金額は全てが食事代ではありません。
何を言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、その理由を、これから説明していきます。
・『経費で落とす』とはどういうことか
・経費で落とせるもの
・なんで『経費で落とす』と割安になるの?
・当事務所の取り組み
冒頭で、『経費で落とす』とは、一旦立て替えてから、後日会社に請求することだと言いました。
ということは、結果的にその食事代金は会社が支払っています。会社が支払っているということは、事業に何かしら関係があるということです。
そのため、『経費』で落とせるものは、『会社の事業に関係する費用』に限られています。
例に挙げたような食事であれば、取引先又は事業に関係がある者に対して行う接待として、会社の費用として計上し、税務上も損金として計上します。
事業に関係があるのであれば、法人も個人も、その支出は基本的に税務上の費用になります。
両者における費用の取り扱いに多少違いはありますが、代表的なものをいくつかご紹介します。
店舗の内装はもちろん、事業に使用する車やデスク・パソコンなどの備品も、『経費』の対象になります。
ただ、税務上では、1つにつき10万円未満(一定の中小企業者等の場合には30万円未満)でないと、一度に費用として認識することはできず、この金額以上となると、減価償却をするか一括償却(20万円未満の場合)をしなければなりません。
社員旅行のように従業員の全員が対象となっているもので、その金額が一般的な価値観に当てはまる金額(社会通念上相当の金額といいます)であれば、『経費』として認められます。
そのほか、従業員の親族に係る慶弔禍福に対する支出や、健康診断の費用についても、福利厚生費として計上することができます。
取引先や事業に関係のある者に対する飲食や手土産であれば、『経費』の対象となります。
個人の場合には全額が必要経費として認められますが、法人の場合には規模によって、損金の額に算入できる限度額が設定されているため、『経費』の対象となったとしても、税金の計算上、その全てが算入できるとは限りません。
自社のHPや宣伝のためのチラシの配布などにかかった費用は、『経費』の対象となります。
基本的には、かかった費用は全て税務上の費用として認められますが、プログラムなどが入っているものについては、その部分だけは『ソフトウェア』として減価償却資産の取り扱いになります。
例えば、HPのなかにオンラインショッピングサイトなどがある場合は、商品情報やお客様情報との紐づけなどでデータベース上にプログラムを走らせているため、『ソフトウェア』の対象となります。
取引先に訪問する際に生じる交通費は、『経費』の対象となります。
ただし、グリーン車などを使用する場合で社内規定に定めていないときは、そのグリーン車となった分高くなった価格については、旅費交通費ではなく給与の扱いになります。
商工会の会費や、事業に関係のある団体に対する会費は、『経費』として認められます。
一方クレジットカードなどの会費については、事業用として使用しているものは認められますが、個人的なカードの会費は認められません。事業用と個人用とで併用している場合には、その使用頻度によって経費として認められる金額が変わってきます。
商品の購入代金や、サービスの対価を『経費で落とす』と、支払った金額よりも実質負担額は割安になっています。
その理由を、一つ例にとってご紹介します。
ある事業年度の所得が1,000万円、納税額300万円(実効税率30%と仮定)の会社があるとします。
その会社は、期末付近で追加の外注費100万円が生じました。
このとき、この外注費100万円が発生したことにより、この会社の所得状況は、所得900万円・納税額270万円となり、所得が100万円減少した分、納税額もそれに伴って30万円減少しました。
所得:1,000万円-100万円=900万円
納税額:900万円×30%=270万円
外注費が生じた分、将来支払うべき納税額が減少しましたが、別の角度から見てみると
『外注費70万円が生じたのと同時に、30万円の納税をした』
とも見ることができます。今回支払った100万円は、実質的には、外注費70万円と先払税金30万円の二つの性格を持っていると考えられます。
即ち、『経費として支払った資金には、その対価となる物・サービスと前払税金の二つで構成されているため、物・サービスを割安に得ることが出来る』ということです。
今回の例でいえば、100万円の価値のあるサービスを70万円で受けることが出来ています。
ここで、注意点が一つ。
この割安の効果を得るためには、税金計算の基となる損金(法人の場合)や必要経費(個人の場合)でなければなりません。
そのため、『経費で落とす』という条件を付けているのです。
当事務所では、税務相談や税務申告のほかに、資金繰りや資金調達、経営分析に力を入れております。
現行の商取引では、売上や仕入等について、発生した時点と実際に資金が動く時点が異なっているため、損益と資金の動きの両面を見なければなりません。
そのため、利益がたくさん出ていたとしても、資金の回収計画がしっかりと組まれていなければ、資金が会社に残らずに潰れてしまいます。黒字倒産がその代表例です。
資金計画をこれから実施していこうという方、再度検討したい方など、資金体力のある会社づくりを目指したい方は、お気軽にご連絡ください。
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